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高齢者の「なんとなくしんどい」は冬~早春の体調不良サイン

ブログ2026.01.26

高齢者の「なんとなくしんどい」は冬~早春の体調不良サイン

こんにちは!理事の下村薫です。
冬から早春のこの時期は、一年の中でも「気温が低い」「乾燥が強い」「1日の日照時間が短い」という条件が重なる季節。
ご高齢の方は特にこの時期“なんとなくしんどい”と感じやすくなります。

この「なんとなく」の裏側には、脱水・血圧の変動・気分の落ち込み・感染症・筋力低下といった、見逃したくない変化が隠れていることも。

そこで今回は「冬から早春にかけて見られるご高齢者の体調不良サイン」をご紹介いたします。
ご本人はもちろん、ご家族の方も一緒に体調不良のサインを確認して、見逃しを防ぎましょう。

1. 乾燥による“隠れ脱水” のサイン

□ 口の乾き
□ 尿の色が濃い
□ 午前中の動きが鈍い
□ 会話がぼんやりしている

ご高齢の方は喉の渇きに気づきにくいと言われていますが、寒さを感じるこの時期はさらに汗をかいていると自覚しにくく、知らず知らずのうちに水分を飲む量が少なくなります
中にはトイレが近くなることへの対策として水分を控える方もいらっしゃいますが、脱水は、ふらつき・倦怠感・食欲低下・尿路感染症など、さまざまな不調を起こしやすいため、注意が必要です。

隠れ脱水のご家庭でできる簡単なケア

  • 朝いちばんに小さな湯のみ1杯の水分を用意する
  • 味噌汁やスープなど、温かい水分をこまめに取り入れる など

暖かい飲み物を脱水対策に飲む女性

最初は「なんとなくしんどい」程度で本人も周囲も見逃しやすい症状ですが、放置してしまうと脳梗塞や心筋梗塞などにもつながることがあるため、冬から早春にかけては特に水分をとる機会を意識的に増やして、隠れ脱水を防ぎましょう

2. 寒さによる血圧の変動のサイン

□ 朝の立ち上がりに時間がかかる
□ 手足が冷たい
□ 朝だけ血圧が高い

冷えは血管を縮め、血圧を上昇させます。
ご存知の方も多い通り、高血圧の状態が続くと血管や心臓へ長時間負担をかけることになり、動脈硬化などを引き起こす原因になることもあるため、気を付けたい変化の一つです。

特に朝は血圧が高めになり、頭痛やめまい、ふらつきを起こしやすくなります。
普段病院やクリニックでの測定で正常範囲におさまっている方の中にも、朝血圧が高めになる患者さまがいらっしゃることがありますので、ご自宅でのサインを見逃さないようにしましょう。

血圧変動のご家庭でできる対策

  • 脱衣所やトイレを暖めておく
  • 朝いちばんの軽いストレッチを家族一緒に行う
  • 急に立ち上がらない習慣づけを促す など

ヒートショック

暖かいリビングやお風呂と、寒いトイレや脱衣所などの温度差によって血圧の大きな変動が起きる「ヒートショック」は、住宅内での死亡事故につながることも多いです。
血圧変動を起こしやすいご高齢の方はもちろん、若い方も条件によってはリスクが高まりますので、ご家族全員で注意することがおすすめです。

3.“季節性の気分低下” のサイン

□ 朝起きるのがつらい
□ 食事量が減る
□ 活動に意欲が出ない
□ 眠りが浅い

冬は1日の日照時間が短く、私たちの気分や意欲の安定に欠かせない「セロトニン」の分泌が減ることから、気分の落ち込みが増えやすくなります
高齢の方では上記のような分かりやすいサインが表れるようになる他「テレビをつけっぱなしで過ごす」「趣味に手がつかない」「外出の回数が減る」などの静かなサインが出ることも少なくありません。

こういった意欲の低下はこの後ご紹介する「筋力や呼吸機能低下」にもつながりやすいため、サインを見逃さないようにしましょう。

ご家庭でできる季節性の気分低下のサポート

  • 朝、カーテンを開けて日光を取り入れる
  • 5分だけの外出や散歩
  • 春に向けて小さな予定を立てる

散歩するシニア夫婦

寒くて誰しも布団や家から出るのが億劫になる時期ですが、セロトニンは日光を浴びることで分泌されるため、できるだけ日の光を浴びるようにしましょう。
ご家族の声掛けや未来の楽しみも、前向きに過ごせる後押しになります。
「花を見に行く」「図書館に行く」などの予定を立てるのもいいですね。ご家族やご友人と声掛けをしながら過ごしてみてはいかがでしょうか。

4. “ぐったり感”だけで始まることもある感染症のサイン

□ 夕方に強く出る倦怠感
□ 食事量の急な低下
□ 寝ている時間が長くなる

冬から春にかけて、特に2月頃はインフルエンザや新型コロナウイルス、肺炎などの感染症が増える時期です。
感染症にかかってしまうと、発熱症状が出る前から体が重い・食欲が落ちるといった「なんとなくしんどい、ぐったり感」のサインが見られることがあります。

ご家庭でできる感染症対策

  • 部屋の加湿
  • 温かい飲み物をこまめに飲むよう促す

ご高齢の方は免疫力が低下していることが多く、感染症にかかりやすく重症化しやすい傾向にあります。
ウイルスが活性化しにくい環境づくりや、免疫力を高める工夫で感染しづらい状況をつくることが大切です。

咳や発熱

また、下記の記事でもご紹介していたように、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症では、咳や発熱の症状が高頻度で見られます。
症状は人によって異なり判断が難しいため、咳や発熱、それ以外にも気になる兆候があれば、早めの受診をお願いいたします。
感染症の流行にご注意を!

5. “動きたくない”は筋力や呼吸機能低下のサインにも

□ 布団から出るまでの時間が長くなった
□ 足の冷え・むくみ
□ 座りっぱなしで腰や背中が痛い

寒い冬は冷えや先ほどご紹介した季節性の気分の落ち込みから、「動きたくない」と感じるご高齢者も増えますが、動かない日が続くと筋力や呼吸機能が低下し、さらに「動けない」「だるい」を引き起こすという悪循環につながります。

最終的に運動機能が低下すると日常生活に影響を及ぼす「ロコモティブシンドローム」となって、要介護状態になりやすいため、この時期の対策はとても大切です。

ご家庭ですぐできる筋力維持対策

  • 朝の“立ち座り10回”
  • こたつやソファでの足の上げ下げ など

外出が減りがちな時期ですが、一日一回、近所の図書館やスーパーなど、外に出るようにするのもいいですね。

買い物や図書館への外出

家の中での簡単な運動と外出を組み合わせて、是非筋力維持対策をしていきましょう。
ご高齢の方でも簡単にできる筋力維持ストレッチは「ロコモ対策」などでもご紹介しております。是非あわせてご覧ください。
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「なんとなくしんどい」のサインでご高齢者の不調悪化防止へ

冬から早春にかけての体調不良は、はっきりした症状よりも「なんとなくしんどい」という形で現れやすいのが特徴です。
家族が小さなサインに気づくことで、重症化を防げることは少なくありません。是非気を付けて体調を確認していきましょう。

また、対策も温かい飲み物、部屋の温度調整、軽い運動……と、どれもすぐに始められることばかりです。日々続けられる小さな工夫が体調を守る力になります。

家族

ご家族の健康な冬を支えるヒントになれば嬉しく思います。
体調面の変化などで心配なことがありましたら、お気軽に草花クリニックまでご相談ください。