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高齢者の口腔ケアは重要!

ブログ2018.12.14

こんにちは。外はだいぶ季節が進み、寒い日が増えてきましたが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、高齢者に多く見られる誤嚥性肺炎と口腔ケアの重要性についてお話しさせていただきます。

見過ごせない、口腔内細菌

口腔内の汚れやトラブルは見過ごされがちです。しかし、細菌が肺に入り込んで起こる誤嚥性肺炎は高齢者の死亡原因となることが少なくありません。

口腔内細菌が誤嚥性肺炎の原因に

お口の中を清潔に保ち、細菌の繁殖を抑えることで、病気の予防を心掛けましょう!

高齢者の身体の特徴(口腔に焦点をあてて)

嚥下関連機能の衰え

①サルコペニア=骨格筋・筋肉の減少

喉を使わない状態が続くと嚥下関連機能が衰えていく

不顕性誤嚥

②誤嚥しても咳で外へ出す力がなくなる(不顕性誤嚥)

咳反射の低下によるむせない誤嚥

口の中に細菌が繁殖しやすい状態

③免疫力が低下して感染しやすくなる

唾液の分泌量が少なくなり、唾液の持つ殺菌力も低下するため、口の中に細菌が繁殖しやすい状態になる。

口腔機能が低下すると

上手く飲み込めず、栄養不足に。やがて筋肉がやせ、悪循環に

むせる

このような症状はありませんか?

・少しむせるようになった
・食べる量が減った
・食べこぼしが多くなった

嚥性肺炎と嚥下障害

<誤嚥性肺炎>

誤嚥とは、唾液や食べ物、胃液等が気管に入ってしまうこと。その食べ物や唾液に含まれた細菌が肺に入り込むことで起こるのが誤嚥性肺炎です。

★予防★

①口腔の清潔を保つ ②嚥下反射を改善する ③胃液の逆流を防ぐ

<嚥下障害>

食べ物を噛んだり、唾液や噛み砕いた食べ物を飲み下したりすることができにくくなる状態です。
高齢者は全身機能の衰えに伴って嚥下機能も低下し、むせやすくなったり、口呼吸や服薬等の影響から口の中が乾燥して食べ物を飲み込みにくくなったりします。

口腔ケア

日常的口腔ケア

うがい、歯磨き、入れ歯の清掃

入れ歯清掃

専門的口腔ケア

①器質的口腔ケア➡うがい、歯磨き、粘膜ケア、入れ歯清掃他
※歯や粘膜の細菌減少を目的としている。

②機能的口腔ケア➡嚥下体操(腹式呼吸、ブローイング、肩・首
ストレッチ、口唇・舌ストレッチ、早口言葉等)
※口腔周囲の筋肉群に働きかける機能訓練。

※病棟では毎日実施しています!

歯磨き

口腔ケアの前に

顔や口の筋緊張をやわらげる➡蒸しタオルで頬あたりを温める。
肩のまわりの筋肉をほぐす。

ストレッチ・可動域訓練➡口ストレッチ、口唇閉鎖訓練・開口訓練・舌挙上訓練・頭部挙上訓練等

ストレッチ・可動域訓練

粘膜のケア

歯がない方や口から食べていない方でも口腔内の細菌繁殖を抑えるために、毛先の柔らかいブラシや粘膜用のブラシ、口腔ケア用のウェットティッシュ等を使用して、頬の内側や舌をブラッシングします。あまり強く押し当てないようにして、後ろから前にかき出すように行うのがコツです。

歯ブラシが使用できない方へ

お口の状態に合わせたケア用品を選択しましょう!
・口腔ケア用ウェットティッシュ
・スポンジブラシ
・舌ブラシ

口腔ケア用ウェットティッシュ

高齢者の死亡原因の上位を占める肺炎の多くは、食べ物や水分、唾液等と一緒に口腔内の細菌が誤って気管に入ることから起こります。口の中を清潔に保ち、細菌の繁殖を抑え、誤嚥性肺炎のリスクを減らすことは極めて重要です。

何か、お悩み事がありましたら、お気軽に当院にご相談ください。