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溶連菌感染症に注意しましょう!

ブログ2018.03.20

はじめまして。草花クリニックの下村巌です。
水曜日と土曜の週2回、草花クリニックで勤務しています。
今回のブログでは溶連菌感染症についてご紹介したいと思います。

溶連菌感染症とは?

溶連菌は、正式には「溶血連鎖球菌感染症」と呼ばれます。
溶血の様式からα、β、γの3種類に分けられ、血清型による分類もあります。
ヒトへの病原性について重要なものは主にβ溶血連鎖球菌で、血清型としてはA、B、C、G群などが挙げられます。
溶連菌感染症のほとんどがA群によるものであり、臨床的にはA群β溶血性連鎖球菌による感染が病原性も強いので注意が必要です。具体的にはのど(咽頭)に感染して咽頭炎や扁桃炎を引き起こします。

溶連菌感染症の症状

溶連菌感染症の症状

溶連菌感染症の症状として、主に発熱、咽頭痛、嘔吐などの症状があり、症状は人により異なりますが、風邪をひいた時と似ています。
体幹や手足に痒みを伴う小さな発疹やイチゴ舌と呼ばれる赤いぶつぶつが舌に見られることがあります。また、治りかけの時期には落屑と言って手足の皮が剥けてきたりという症状とも見られます。

溶連菌が流行するのは冬がピークと言われていますが、実際には年間を通して見られます。

溶連菌感染症の治療は?

溶連菌感染症の治療は?

治療は適切な抗菌薬を10日〜14日間内服します。
抗菌薬としてはペニシリンやセフェム系の抗菌薬を用いますが、重大な合併症となる「リウマチ熱」や「急性腎炎」を予防するために10日の内服が推奨されます。
症状は治療を開始すると楽になる傾向にありますが、再び悪化させないためにも、治療期間については医師の話を聞いておくと良いでしょう。

溶連菌の潜伏期間は?

溶連菌の潜伏期間は?

溶連菌感染症の潜伏期間は2〜5日間と言われています。
かなり強い感染力を持っているのですが、学校などで流行し始めた場合、すぐに症状が出ないので注意が必要です。

溶連菌はうつるの?

溶連菌はうつるの?

よく遊ぶお子さん同士、接触の多い兄弟にはうつりやすく、その感染率は25〜50%と言われています。また、大人にもおよそ15〜20%ほどの確率で感染します。免疫力の低下した高齢者や妊婦さんは特に注意が必要です。
溶連菌の感染の経路としては、飛沫感染、接触感染といったものが挙げられます。
飛沫感染は、溶連菌に感染した人から咳やくしゃみなどで溶連菌を含む飛沫が空気中に拡散し、それを吸い込むことで感染します。
接触感染は、感染した人の体液などが付着したものとの間接的な接触で病原体が感染します。

家で気をつけることは?

家で気をつけることは?

のどにやさしい食事や清潔に気をつけてください。また、保育園、幼稚園、学校へは、お友達への感染のリスクがありますので、治療開始後、24〜48時間は控えるように、とされています。

予防のポイントは?

予防のポイントは?

インフルエンザ感染症のように、予防接種があるわけではないので、通常の感染症と同じく、手洗い・うがいをしっかり行っていただくのが大切です。
くしゃみやせきといった形で飛沫感染することがあるため、マスクの着用や、同じ食器を使わないといった対策も有効です。

体調やお身体のことでお困りの点やお悩みの点などございましたら、お気軽に草花クリニックにお尋ねください。