冬の乾燥肌に悩むあなたへ
ブログ2026.03.03

こんにちは!理事の下村薫です。
冬になると「肌がカサカサする」「かゆみで眠れない」「粉をふく」「湿疹ができやすい」といった相談が増えてきます。
これらの症状は、冬の乾燥によって肌の水分や皮脂の量が不足して潤いがなくなっている「乾燥肌(ドライスキン)」によるものかもしれません。
今回は、冬の乾燥肌の原因や、自宅でできる対策、受診の目安などをわかりやすくお伝えします。
冬の乾燥肌の原因は「肌のバリア機能の低下」
私たちの皮膚は本来「角質層」がバリアとなって水分を保っていますが、冬は様々な条件が重なり、このバリア機能が低下しやすくなります。
肌のバリア機能低下のよくある原因
- 湿度の低下による空気の乾燥
- 暖房による室内の乾燥
- 熱いお風呂・長風呂
- ナイロンやウールなど衣類の刺激
- 加齢による皮脂分泌の低下 など
特に高齢の方、アトピー体質の方、糖尿病や透析などの持病がある方は、乾燥が強く出やすい傾向があります。
乾燥肌の放置はさらなる肌トラブルの原因に
「ただの乾燥だから」と放置してしまう方もいらっしゃいますが、外部からの刺激に弱い乾燥肌は、さらなる肌トラブルの原因になってしまうことも少なくありません。
乾燥肌を放置するとこんな肌トラブルを引き起こすことも……。
- 強いかゆみから掻いてしまい、湿疹が出る
- 皮膚炎(皮脂欠乏性湿疹)になる
- ひび割れ・あかぎれを引き起こす
- 細菌感染(とびひ、蜂窩織炎など)を引き起こす

かゆみは皮膚からのSOSです。
悪化させないためにも我慢しすぎず、早めの対策や受診が大切です。
今日からできる!冬の乾燥肌対策
ここからは具体的に乾燥肌対策も見ていきましょう。
肌のかさつきやかゆみを感じ始めた初期の段階では、ご自宅でも習慣の見直しやちょっとした工夫で乾燥肌対策ができます。
乾燥肌は毎年繰り返す方も多いので、是非冬季の習慣にされてみてはいかがでしょうか。
(1)お風呂の入り方を見直す
冬は熱いお風呂が嬉しい季節ですが、熱いお湯への入浴や長風呂は前述の通り肌のバリア機能低下の原因となることが多いため、お風呂の入り方を見直してみましょう。

乾燥肌の方は38〜40℃のぬるめのお湯で、 長風呂は避けて10〜15分を目安に入浴することがおすすめです。
強い刺激も肌トラブルの原因となるため、手や泡でゴシゴシ洗わないようやさしく洗うようにしましょう。
ナイロンタオルは泡立ちや水切れがよく、ボディタオルで使う方も多いですが、摩擦を起こしやすいため、使い過ぎや力の入れすぎには気を付けましょう。
入浴中は水分に触れているため、肌が潤っていくような気持ちになりますが、角質を傷つけたり皮脂が過剰に落ちたりしてしまうと保湿しづらくなって乾燥肌を悪化させる恐れがあります。
お風呂では、「潤す」よりも「落としすぎない」ことが乾燥肌対策のポイントです。
(2)入浴後はすぐ保湿

保湿はタイミングが非常に重要で、入浴後5分以内がベストです。
ポイントは、 白く粉をふく前に塗ること。
1日1回で足りなければ朝夕2回塗ってみましょう。かゆみがある部位は重点的に塗るのがポイントです。
塗り薬は「1FTU」を意識する
患者さまからお話を伺っていると、塗る量が少なすぎる方がとても多いです。
塗る量が少ない場合には症状が改善されにくくなってしまうこともありますので、塗り薬の量の目安「1FTU(Finger Tip Unit)」を覚えて意識してみましょう。
軟膏チューブの場合
大人の両手のひら分の面積:人差し指の第一関節から指先まで=1FTU

実際に出してみると「思ったより多かった」という方も多いかもしれません。
1FTUが分かれば、他の部位も手のひらと比較しながら必要な量を計算することができますので、是非覚えてみてくださいね。

べたつきが気になる場合や広範囲に塗ることが難しい場合には、保湿系入浴剤を使う方法もありますので、こちらも試してみてはいかがでしょうか。
(3)乾燥肌を防ぐ保湿剤の選び方

皮膚を乾燥から守る「保湿剤」には、様々な種類があります。
市販品も医療品も種類ごとの目的は同じですので、下記を参考に必要な保湿剤を選びましょう。
- ワセリン:刺激が少なくバリア力が高い
- ヘパリン類似物質:水分保持が得意
- 尿素入り:角質をやわらかくする(ただ中にはしみる人もいるので要注意です)
※しみる・赤くなる場合には無理せず使用を中止してください。
また、体内から発生する「汗」にも天然保湿因子が多く含まれています。
冬は気温や湿度が下がって汗が出にくくなるため、普段から適度に汗をかく習慣をもつことも乾燥肌対策になります。
(4)室内環境・衣類の見直し

お風呂だけでなく、普段の暮らしの中で乾燥を防ぎ、肌への刺激を減らすことも大切です。
快適に過ごすためには、室内湿度40~60%が理想的。
特にエアコンなどで暖房していると湿度が下がりやすくなるため、加湿器を使って調整しましょう。
肌に直接触れる衣類は、綿素材がおすすめです。
かゆい部分は重ね着で刺激を減らすと良いでしょう。
乾燥肌の受診目安
今回ご紹介したように、最初はただの乾燥だと思っていた症状も、悪化してしまうことがあります。
悪化すると治るまでに時間を要するケースも多いため、次のような場合はお気軽に当院やかかりつけ医にご相談ください。
- 保湿してもかゆみが強い
- 赤み・ブツブツ・ジュクジュクが出てきた
- 夜眠れないほどかゆい
- 掻き壊して傷になっている
ご相談いただくことで、必要に応じて炎症を抑える外用薬(ステロイドなど)を使うなど適切な対策をしやすく、早く改善されることも多いです。

乾燥肌は「体質」ではなく「ケア」で変えられます。
冬の乾燥肌は、多くの方が経験する身近なトラブル。正しいスキンケアを続けることで、かゆみのない、楽な冬を過ごすことができます。
「これくらいで受診していいのかな?」と迷っている方も、遠慮なくご相談ください。