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介護保険 「要介護認定」の申請からサービス開始まで

ブログ2025.09.19

介護保険 「要介護認定」の申請からサービス開始まで

こんにちは!理事の下村薫です。
歳を重ねて高齢になってくると、心身の機能低下によって思うように日常生活を送りづらくなることがあります。

1人暮らしで「最近、物忘れが増えてきた気がする」「家事にも一苦労」など今後の暮らしに不安を感じる……
ご家族の立場から「そろそろサポートが必要かもしれない」と感じる……

そんな時に頼れるのが「介護保険サービス」です。
私たちは必要な時に介護サービスを受けられるように40歳になると介護保険に加入しますが、実際に活用するとなると「介護保険サービスを受けるにはどうしたらいいの?」と疑問に思う方も少なくありません。

そこで今回は、介護保険サービスを受けるための申請からサービス開始までを、わかりやすく解説します。

介護保険サービスを受けるまでの流れ

まずは介護保険サービスを受けるまでの大まかな流れを見てみましょう。

介護保険サービスを受けるまでの流れ

一口に「介護サービスが必要」と言っても、お身体の状態は人それぞれ。
ご本人にあったサービスを活用できるよう、「要支援・要介護度」つまり、どのレベルの介護サービスが必要なのかを調査し、「要介護認定」を受けるところからはじめる必要があります。

「要介護認定」の申請

要介護認定

どのレベルの介護サービスが必要なのかなどを判断するために、市区町村へ「要介護認定の申請」を行います。

申請先は、お住まいの市区町村の介護保険課や地域包括支援センターで、ご本人のほかご家族からの申請も可能です。まずは担当窓口へ電話で相談してみましょう。

あきる野市の要介護認定申請窓口

高齢者支援課介護認定係」または「五日市出張所市民総合窓口係」が申請窓口です。あきる野市のホームページにも説明がありますので、こちらもご覧ください。
介護が必要になったら(要介護認定の手続き) あきる野市

要支援・要介護度の決定

要介護認定の申請後は「訪問調査」や「主治医の意見書」などでご本人の心身の状態を確認し、審査会で「要支援・要介護度」の判定を行います。

(1)訪問調査

訪問調査

市の調査員がご自宅に訪問し、ご本人やご家族から心身の状態や生活状況などの聞き取り調査を行います。
一般的に所要時間は30分~1時間ほど。普段心身の不自由さから生活で困っていることなどがあれば、事前にまとめておくと伝えやすくなります。

(2)主治医の意見書

主治医の意見書

ご本人やご家族への確認のほかに、心身の機能低下や病気・怪我などの状況などについても調査が行われます。
こちらはかかりつけの医療機関に依頼して、現在の健康状態を記した意見書を作成してもらいましょう。

「かかりつけ医」とは、健康に関することをなんでも相談でき、必要であれば専門医の紹介や健康管理を行う身近な医師のことです。
ご高齢の方は様々な疾病を抱えていることも多いため、こうした「かかりつけ医」の重要性が近年注目されています。
草花クリニックでも地域のかかりつけ医として皆さまの健康をサポートしておりますので、お身体の不安などがありましたらお気軽にご連絡ください。

(3)審査会で要支援・要介護度を決定

訪問調査や主治医の意見書をもとに、コンピューターや審査会でどのくらいの介護が必要か、判定が行われます。
約1か月後に市区町村から、全国共通の基準で「要支援1〜2」「要介護1〜5」「非該当」のいずれかの結果通知が届きます。

要介護認定を受けたらケアプラン作成へ

介護保険では幅広いサービスが用意されており、要支援・要介護度に応じて利用できるサービスや、月々の利用限度額などが異なります

ケアプラン作成のイメージ

そのため、ご本人・ご家族とケアマネジャーなどが話し合って生活の状態や希望に応じた「ケアプラン」を作成し、ケアプランに基づいて訪問介護・デイサービス・福祉用具レンタルなど、必要なサービスの利用が始まります。

原則、判定された要支援・要介護度によって下記のようにケアプランの相談先が異なりますので、ご注意ください。

「要支援1~2」の場合

要支援1~2」の認定を受けた方は、「地域包括支援センター」でケアプランの作成を行います。
地域包括支援センターはお住まいの地域ごとに設置されている場合が多いため、自治体の案内をご確認ください。

あきる野市では「はつらつセンター」という3つの窓口が設置されています。ホームページにて担当地区の案内がありますので、ご確認ください。
はつらつセンター(地域包括支援センター)

「要介護1~5」の場合

要介護1~5」の認定を受けた方は、「居宅介護支援事業所」でケアプランを作成しましょう。

草花クリニックでも居宅介護支援を行っており、ケアプランの作成やサービス提供先の事業所との連絡・調整はもちろん、訪問看護ステーションに併設していることから医療的ニーズの高い方への対応も積極的に行っております。

下記のページでも居宅介護サービスについてご案内しておりますので、要介護1~5の認定を受けた場合には、お気軽にご相談ください。
居宅介護支援(ケアマネジャー)

介護保険サービスのQ&A

介護保険サービスのQ&A

申請をはじめて行う際は不明点が多く、難しく感じる方も少なくありません。
よく耳にする疑問点についてまとめましたので、参考にご覧ください。

Q. 軽い物忘れでも申請していいの?

はい、大丈夫です。状態の軽い段階でも、「日常生活に不安がある」「サポートが必要かも」と感じたら、申請してみましょう。

Q. 主治医がいない場合は?

地域包括支援センターで相談すれば、近隣の医療機関を紹介してもらえることもあります。当院は地域のかかりつけ医を目指しています。なにかご不安な点がありましたら遠慮なくご相談ください。

Q. 家族が遠方にいて、要介護認定の申請手続きに行けない……

申請自体はご本人でも可能です。また、委任状があれば地域の包括支援センター職員などが代行してくれることもあります。

介護保険制度を知ることが“安心”につながる

「いよいよ何かあった時」ではなく、「そろそろ不安かも」と思ったその時が、介護保険制度を知って活用する最適なタイミングです。

ご本人やご家族にとって、介護のお悩みは日常的で大変大きいもの。
介護保険制度をうまく活用すれば無理なく、自分らしい生活を続ける助けになりますので、一人やご家族だけで抱え込まずに制度の力を借りながら、心も体もゆるやかに守っていきましょう。

家族

当法人ではクリニックや訪問看護などの医療事業だけでなく、居宅介護やサービス付き高齢者向け住宅「シニアハウスくさばな」、「デイサービスくさばな」など介護に関わる事業も行っております。

地域の皆さまができる限り「慣れ親しんだ環境での自分らしい暮らし」を実現できるよう、医療・介護の充実した連携で介護を必要されている方とご家族をサポートしてまいりますので、お身体の健康や介護サービスについてもお気軽にご連絡ください。