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オーラルフレイル予防でお口を健康に!

ブログ2025.06.19

オーラルフレイル予防でお口を健康に!

こんにちは!理事の下村薫です。
皆さまは「フレイル(虚弱)」と言う言葉をご存知でしょうか。
加齢により心身の機能が低下し、要介護状態になる前段階のことです。

以前の記事「人生100年時代「要介護」を予防しよう!」でも触れましたが、健康は栄養や身体活動、社会活動で支えられており、その3つに関わる要素がどこか一つバランスを崩すとドミノ倒しのようにフレイルが一気に進行してしまいます。

フレイルのドミノ倒し

今回はフレイルドミノの流れを止められるよう、お口のフレイル「オーラルフレイル」についてご紹介します。

オーラルフレイルのセルフチェック

歳を重ねて歯を失ってしまうと段々と硬いものが噛めなくなります。すると、やわらかいもの中心の食生活になって、さらに筋肉が衰え口腔機能が低下する、負の連鎖を引き起こしがち。
場合によっては喋りにくくなり、前向きに社会参加できなくなってしまうケースもあります。

オーラルフレイルの口腔機能低下

そうならないためにも、大事なのが歯の健康維持です。
まず、ご自身やご家族の状態をセルフチェックしてみましょう。

2024年4月1日に日本老年医学会、日本老年歯科医学会と日本サルコペニア・フレイル学会の3学会合同で発表されたOF-5(Oral frailty 5-item Checklist)のチェックリストをご覧ください。

オーラルフレイルのセルフチェック

皆さまはいくつ当てはまりましたか?
5項目中2項目以上該当するとお口のフレイル「オーラルフレイル」です。

そのまま放置してしまうと、オーラルフレイルは知らないうちに少しずつ進行して、栄養が摂れなくなり、体の機能も低下しやすくなってしまいます。
お口の健康は毎日の取り組みでフレイル予防できますので、是非予防策もお試しください。

オーラルフレイルを予防しよう

日々の歯磨きと定期的な歯科受診

歯磨き

まず必ず行いたいのが日々の正しい歯磨きです。
虫歯や歯周病を予防することができ、歯を守ることにつながります。

定期的な歯科での受診も、普段のケアや口腔内の健康リスクをチェックすることができるため、詳しくは歯科を受診してみてください。

嚥下リハビリでお口のトレーニング

ご自宅でもお食事前に今日からできる「嚥下リハビリ」があります。
食べ物が食道ではなく気管に入ってしまう誤嚥性肺炎の予防になりますので、お食事の前に1日3回、ぜひ習慣にしていきましょう

(1) 顔、首、口のマッサージ

お顔のマッサージ

高齢になると唾液の分泌量が減りやすくなり、食事がスムーズに摂りづらくなります。
唾液腺を刺激すると唾液が出やすくなるため、頬、耳の下、顎の下をマッサージしましょう。

唾液は他にも発音しやすくする効果もあるため、しゃべりにくさを感じている場合にもおすすめです。

(2)肩や首のストレッチ

肩や首のマッサージ

リラックスして肩を上げ下げしたり、回したり。
首もゆっくりと前後左右に動かしたり、回したりするストレッチを行いましょう。
簡単なストレッチですが、体がほぐれることで食事を安全に行いやすくなります。

(3) 「パタカラ」と発声する

パタカラ体操

「パタカラ」はたった4音で、食べる・飲み込む時に使う舌や唇の筋肉をまんべんなく使うことができます。
なるべく口を大きく動かし、はっきりと発音しながら早く言うのがコツです。

(4)口の体操

笑顔

自分の鼻先を見つめながら、にこっと口角を上げてみましょう。
この時、ごっくんと唾液を飲み込むとさらに効果的です。
目線を上にして、口を大きく開けるのも有効ですので、試してみましょう。

(5)歌を歌う

歌を歌う

(3)でパタカラと発声する方法をご紹介しましたが、お好きな歌を大きな声で歌うこともトレーニングになります。

リズムや音を合わせる歌は、楽しいだけでなく脳トレにもなるため、おすすめです。

ご高齢の方のお食事の栄養相談も

今回はお口のフレイル「オーラルフレイル」について、セルフチェックや予防方法をご紹介しました。

当院は、地域のかかりつけ医として皆さまの健康をお守りしています。
ご高齢の方のお食事についても、管理栄養士による訪問指導や、オンライン指導サービスがありますので、場所や時間に制限されずにニーズに合わせたご提案を行うことができます。

栄養相談

健康を守るうえで大きな役割を担う「栄養」について、お困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
栄養指導