ダイエットや禁煙など生活習慣を変える方法
ブログ2024.02.09
こんにちは!理事の下村薫です。
一年の始まりには今年の抱負を決める方も多いですが、皆さんは“今年こそは”と思っていることはありますか?
何かを始めるには最適なタイミングですので、ダイエットや禁煙など生活習慣を変えることを目標にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなダイエットや禁煙ですが、中々行動に移すことや続けることが難しく、「生活習慣を変える方法」をお探しの方も多いはず。
そこで今回は、健康診断で異常値が出た方や、ダイエット・禁煙中など、生活習慣を変えたい方に知っていただきたい「行動変容」についてご紹介いたします。
ご本人はもちろん、ご家族やご友人で健康面が心配な方がいる場合にも参考にできますので、是非ご覧ください。
ダイエット・禁煙と「行動変容」のステージ
「行動変容」とは、言葉の通り人の行動が変わることを指します。
人が行動を変えようとする過程では徐々に変化していくことが多く、無関心期→関心期→準備期→行動期→維持期→再発期の6つのステージがあると言われています。
ダイエットを例にとって、思考や行動の状態を見てみましょう。
ダイエットの行動変容の例
【無関心期】肥満が健康上の問題だと考えていない
【関心期】ご家族や医療者の働きかけにより肥満が体に悪いことはわかっているが、ダイエットしようとは思わない
【準備期】お正月に食べ過ぎてさらに3㎏増量し、ダイエットを考え始める
【行動期】準備期の気持ちが熟してついにダイエットに踏み切り、成功する
【維持期】6カ月後もダイエットを継続する
【再発期】飲み会などをきっかけに体重が増加してしまう
ダイエットや禁煙などの生活習慣の見直しでは特に、なかなか行動に移せない、続けられないといったお悩みを耳にしますが、中にはこの行動変容のステージの把握ができておらず、周囲のサポートや自らの行動がうまく合致していないケースが見られます。
具体的に、ステージに合わせたおすすめの働きかけ方も見ていきましょう。
ダイエット・禁煙を次のステージへ進めるには
ダイエット・禁煙などを次のステージへ進め、生活習慣の見直しを成功に繋げるためには、現在の行動ステージを把握し、それに合わせたアプローチを行うことが大切です。
ここでは引き続き、ダイエットを例にご紹介しますので、禁煙など、自分の変えたい生活習慣に置き換えて確認してみましょう。
無関心期
無関心期の方は肥満を健康上の問題と意識していないため、将来のリスクなどの「説得」を試みてもダイエットに結びつかないことが多いです。
対象がご家族やご友人などの場合には少し歯がゆいですが、ここは焦らず、まずはご本人の話をよく聞いて、時々ダイエットや健康の話を振って様子を見ましょう。
何事も、ご本人のやる気があってこそです。
関心期
関心期の方は「ダイエットの必要性」に気づいており、6カ月以内には行動を起こしたいと考えている状態です。
「生活習慣を変えたい」「頭ではわかっているんだけど、目の前にケーキがあるとつい頬張ってしまう」という方の多くは、このステージだと考えて良いでしょう。
このステージでは、肥満状態のデメリットやダイエットのメリットを知ること、間食したくなったらどうするかなど、具体的な対応策を考えてみることも有効です。
また、「重要度-自信度モデル」と呼ばれる考え方では、「重要度」や「自信度」が高いほどご本人が変わろうと頑張る気持ちが強くなり、行動変容が成功しやすいと言われています。
そのため、本人にとっての「重要度」とできると感じる「自信度」を上げる取り組みも大切です。
重要度を上げるおすすめの施策
- 価値観や優先順位を把握する
- 肥満のリスクについての情報を集める
自信度を高めるおすすめの施策
- 過去の成功体験を思い出す
- すぐに達成できそうな小さな目標を立てる
ご家族や友人を巻き込んで取り組んだり、目標に応じてご褒美を設定したりといった工夫も重要度に結びつきやすく、達成したことが可視化され、自信となるためおすすめです。
準備期・行動期
生活習慣を変えて実際にダイエットを始める約1カ月前が準備期で、行動を起こすのが行動期です。
準備期の場合は具体的な目標を短期目標と長期目標に分けて定めることで、ゴールへ近づいている感覚を持てるようにしましょう。
目標を決めたら、生活習慣を変える決心をしたことを周囲へ宣言することも大切です。支持や励ましを受けることで、モチベーションに繋がります。
行動期は動き出しているため安心しがちですが、いつでも関心期に逆戻りしてしまう「再発期」と隣り合わせになっています。
対象がご家族やご友人の場合は、この時期、行動していることを褒めて自信をつけてあげることが大切です。
「よく頑張ってるね」「体のラインが変わってきたね」など、変化を実感できることが行動期のモチベーションになりますので、声掛けを行っていきましょう。
維持期
行動期を約6カ月続けることができて、ようやく維持期となります。
維持期に入る前後では、リバウンドを回避する「再発予防策」を立てましょう。
例えば「今後また体重が増加しそうになったらどういう行動をとるか」などを事前に考えて、行動をやめてしまう再発期に備えることが大切です。
再発期
再発期とは、気持ちや行動が関心期へと戻ってしまう段階です。
ダイエットでいうと、「リバウンド」がこの再発期にあたります。
このステージで大切なのは、諦めずに次の関心期に繋げることです。
ご家族や友人に次の目標を共有して再チャレンジをする、また小さな目標から始めてみるなど、再び準備期・行動期に立ち返って行動してみましょう。
対象がご家族やご友人の場合は、再発期に入って落ち込んでいるご本人に寄り添い、ご本人がこれまでの努力を自信に繋げられるように声掛けをして、また一緒に続けていけるよう、励ましていきましょう。
各ステージを次へ繋げるアプローチ方法をご紹介してきましたが、ご自身やご家族、ご友人の現在のステージは見つけられましたでしょうか。
ご紹介してきた通り、行動変容のステージでは周囲のサポートが力になる場合もあります。ご家族やご友人などの力も借りながら、計画的にダイエットや喫煙などを進めていきましょう。
“今年こそは”ダイエットや禁煙をお考えの方へ
今回はダイエットを例に、生活習慣を変える過程の各ステージ「行動変容」についてご紹介いたしました。
ダイエット・禁煙といった生活習慣の見直しにはご本人の意思はもちろん、知識やタイミングのあったサポートなどが必要となり、一人で取り組むのは大変難しいものです。
ダイエットや禁煙に取り組む際にはご家族やご友人を巻き込んで取り組んでみてはいかがでしょうか。
また、ダイエットや禁煙など生活習慣の見直しを無理に行うと再発期に戻ってしまいやすく、継続が難しくなる場合もあります。
「今年こそ変える」という皆さまの意思を、私たちも医療スタッフとして全力で応援いたしますので、是非ご相談ください。