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春なのに熱中症?!

ブログ2019.04.05

春なのに熱中症?!

熱中症は夏に起こるものだと思っていませんか?
近年は地球温暖化で、ゴールデンウイークから最高気温が25℃超えることも珍しくありません。
まだ、春だから・・・と思っていると熱中症になってしまうかもしれません。

熱中症とは?

熱中症は、体の外から入ってくる「熱」や、体の中で発生する「熱」の影響により引き起こされます。
私たちの体は体温を保つように自然と調節しています。
暑いときには汗をかいて体表面から熱を逃がし、上がった体温を冷やそうとするはたらきがあります。
しかし、一度に大量に汗をかくと水分や塩分が体内から失われ、体内の水分のバランスがくずれて、けいれんを起こしたり、気を失ったりといった、体の不調が起こります。
それが熱中症の一番多いパターンです。

熱中症になるのって夏でしょ?

いいえ、そんなことはありません!
人間の体は気温が上がってから3~4日しないと体温調整がスムーズにできません。
なので、急に気温が高くなる日があると、対応は難しく水分調整が上手くいかず、熱中症になりやすくなってしまいます。
「夏日」「真夏日」「蒸し暑い日」と天気予報士さんが言ったら、「春ではなく夏だと思って過ごす」ことが大切です。

熱中症になりやすい人の特徴とは?

熱中症になりやすい人の特徴とは?

同じ気温や温度の下で同じように過ごしても、熱中症になる人とならない人がいます。
自分は熱中症になりやすいかも・・・?セルフチェックをしてみましょう。

熱中症のなりやすさをセルフチェック

  1. 押した後、色が白からピンクに戻るのに2秒以上かかる。
  2. 口の中が乾燥している。
  3. 手足が冷たい。
  4. 汗っかきである。
  5. 飲むものは急須で入れた緑茶、コーヒー、紅茶を主に飲んでいる。
  6. 下痢をよくする。
  7. いつも朝ごはんを食べない。
  8. 高血圧・糖尿病・心疾患などの持病がある。
  9. 運動習慣がない。
  10. 肥満傾向である。

3項目以下当てはまる方(熱中症危険度:30%)

3項目以下当てはまったあなたは、熱中症危険度30%です。
他の人に比べて熱中症にはなりにくい性質を持っています。
疲れが溜まったり、いつもと違う生活リズムで過ごしてしまったときなど、熱中症危険度は高まる可能性があるので注意が必要です。

4~6項目当てはまる方(熱中症危険度:60%)

4~6項目当てはまったあなたは、熱中症危険度60%です。
軽い脱水傾向があるため、ちょっとしたことがきっかけで熱中症になる危険性があります。
当てはまった項目を振り返り、生活習慣を見直してみましょう。

7項目以上当てはまる方(熱中症危険度80%)

7項目以上当てはまったあなたは、熱中症危険度80%です。
脱水傾向です。今年のゴールデンウイークには熱中症になってしまうかも?!
すぐに今から、熱中症対策を始めましょう!!

無条件で、高齢者や乳幼児は体温調節機能が弱いために熱中症にかかりやすくなります。
こまめに水分補給できるように声掛けなどしてあげましょう。

すぐにできる熱中症対策は?

外出時には日差しを避ける

直射日光に当たると汗をたくさんかき、体内の水分が不足することで熱中症を招きます。
外出する場合はできるだけ日陰を選んで歩いたり、日傘をさしたり帽子をかぶったりして直射日光を防ぎましょう。

外出時には日差しを避ける

のどが渇いていなくても水分補給

夏のように暑く、のどの渇きを感じやすくなる時期は自然と水分に手が伸びますが、春は気温が徐々に上昇して、冬の寒い時期に比べて自然と汗をかいているため、乾している状態に気が付かないことが多い季節です。

のどが特に渇いていなくても予防のため、毎日こまめに水分補給をしましょう。
なぜこまめに水分補給するのがよいかというと、発汗→水分摂取→発汗→水分摂取の好循環を作ることができ、水分代謝を良い状態に保つことができるからです。

日常の生活では『水』やミネラル成分の豊富な『麦茶』、『ルイボス茶』などがおすすめです。
運動した後には、汗をかいた分の塩分と糖分を補給できる『スポーツドリンク』や『牛乳』がおすすめです。

外出時には日差しを避ける

『牛乳』は意外かと思われますが、運動後にたんぱく質を摂取すると、アルブミンという物質が合成され、それが水を血液中に集める効果があるため、血液量を増進させる効果があります。
つまり、運動直後に牛乳を飲むと血液量が増え、その結果、汗をかきやすくなって体の外に熱を逃がしやすくなります。

熱中症セルフチェックの解説

  1. 押した後、色が白からピンクに戻るのに2秒以上かかる。
    ⇒指先は血管が細いので変化が出やすい部分です。
    毛細血管の血流が悪いということは、血がドロドロになっていて血液中の水分が少ないことを意味しているので脱水傾向と言えます。
  2. 口の中が乾燥している。
    ⇒脱水状態になると口の中のつばが減少し、舌の表面も乾いてきます。
  3. 手足が冷たい。
    ⇒冷え性の場合、汗をかきにくい性質を持っていることが多いので、体の中に熱がこもりやすく、熱中症の危険性が高まります。
  4. 汗っかきである。
    ⇒他の人より、体から出る水分が多いので、充分な水分補給が必要です。
  5. 飲むものは急須で入れた緑茶、コーヒー、紅茶を主に飲んでいる。
    ⇒急須で入れた緑茶、コーヒー、紅茶はカフェインが多く入っているため、利尿作用が強く、体に必要な水分も尿として体の外に出ていってしまう可能性があります。
  6. 下痢をよくする。
    ⇒下痢は水分含有量が90%以上の為、下痢をしてしまうと脱水になりやすくなります。
  7. いつも朝ごはんを食べない。
    ⇒体温調節に欠かせない汗は、血液中の水分と塩分から作られるため、食事抜きの状態では汗をかきにくくなり、熱が体の中にこもりやすくなります。
  8. 高血圧・糖尿病・心疾患などの持病がある。
    ⇒高血圧や糖尿病、心疾患などの病気がある人は、病気そのものや、症状を抑える薬が汗をかく機能を低下させることがあるため、熱中症にかかりやすいといえます。
  9. 運動習慣がない。
    ⇒汗をかく習慣をつけておかないと、気温による急な暑さにも対応が追い付かず、熱中症にかかりやすくなります。
  10. 肥満傾向である。
    ⇒肥満の人は皮下脂肪が厚く、体内で産生された熱が外に出しづらくなるため、体の中に熱がこもりやすくなります。 

今の季節からしっかりと水分補給して、熱中症に耐えられる体を作り、暑い季節に備えましょう!